今回は、僕の経験をもとに、下請けから抜け出して、取引先と対等な仕事ができるようになる方法をお伝えします。
BtoB(企業対企業の取引)のまま下請けを抜け出したい経営者さんの参考になると思います。
HP制作会社であっても町工場であっても共通する部分がありますので、参考にしてみてくださいね。
値引き要求の罠
クライアントから値引きを要求されたとき、仕事をもらうためについ応じてしまいがちです。
でも、これは危険な考え方です。
なぜなら
- 利益が減り社員が定着しない
- 取引先から見て自社の価値を下げてしまう
- 取引先と対等な関係を築けない
これではいつまでも下請けから抜け出せませんね。
すでに取引先があって今さら値上げ交渉もできない会社でもできることを紹介していきますね。
対等なパートナーになるために最初にやること
では、どうすればクライアントと対等な関係を築けるのでしょうか?
良質な問い合わせとは?
良質な取引先を開拓するには、良質な問い合わせを作ることです。
良質な問い合わせをしてくる人は、あなたの商品の良さをすでに知っていて、価格に関係なく買ってくれる人です。
一方で、質の悪い問い合わせは、最初から値切ることを前提で、価値よりも価格で選ぼうとする人です。
何度も上司や現場と話し合って見積もりを作り直したのに、結局値段で選ばれない…ということになります。
そうならないために、HPを見直して本当に必要としている人にだけ営業しましょう。
HPで良質な問い合わせを作る
HPの見せ方で問い合わせの質が180度違ってきます。
HPで「誰でもどんな会社でもウェルカムです」「〇〇ならお任せ」といった、見せ方をしていると、ターゲットが曖昧で有象無象の質の悪い問い合わせが来ます。
そうならないようにあまたの会社の良さを社員全員で理解して、それをHPに落とし込む必要があるんです。
社員全員でなければならない理由は、どの社員に聞いても一貫性があることが取引先から見て安心感につながるからです。
それは技術やスキルの話ではなく、考え方や方針のことです。
社員一人ひとりの方針や考え方がバラバラの中から生まれた製品は、品質もバラバラになります。
ディズニーランドのスタッフは、どのスタッフも一貫性を持ってお客さんのために働いていますよね?
ディズニーランドはこう行動するべき、という理念がスタッフ全員に浸透しているからです。
社員教育の賜物と言えますね。でもこれはディズニーランドじゃなくても一般の会社でもできるんです。
会社の価値を言葉にできているか?
- 会社の強みを社員全員が言えますか?
- 会社の方針をどの社員に聞いても同じ答えが返ってきますか?
- その方針をHPに言葉にして反映していますか?
会社の価値は、ひとり一人の社員が作っています。
社員全員が「うちの会社は取引先に〇〇を提供していく」という方針が統一できれば、どの社員が担当しても、取引先のためにすべきことが見えてくるはずです。
一方で、
- 何のために仕事をしているのかわからない
- だれが何に使うのかもわからない
- 一体自分たちが作っているものが何に役に立っているのかわからない
こんなことでは何か正解なのか?何をもっていい品質なのかさえわからなくなります。
下請けから抜け出さない会社のHPは、誰のために何のためにが抜け落ちていますし、社員に聞いても答えがバラバラなんです。
良質な問い合わせを増やすためにHPに載せること
- 社員ひとり一人の意識を統一するために
- 自分たちの本当のお客さんはだれなのか?
- どんな課題を解決するために仕事をしているのか?
- その製品を納品した先にいるお客さん(エンドユーザー)は誰なのか?
- そのためにどんな言葉をHPに載せる必要があるのか?
- 今まで長い取引先はどこが良くて取引をしてくれているのか?
こんな風に考える必要があります。
BtoBで長い間、下請けをしている会社だとパッと答えが出るものではないかもしれません。
それでもBtoBの形のまま下請けから抜け出すためには必要な考え方です。
それが言葉にできてHPに落とし込めれば、HPが優秀な営業マンとなって質のいい問い合わせを作ってくれます。
質のいい問い合わせが増えて理不尽な価格交渉も大幅に減るでしょう。
まとめ
- 質の悪いHPは質の悪い問い合わせを増やす
- 質の悪い問い合わせをしてくる人は値下げをしてくる
- 質の悪い取引先は値段の安さしか見ていない
- 質の高い問い合わせを増やすには誰のどんな課題を解決するのかHPに載せる
HPを整備することで質の悪い取引先を遠ざけて、質の良い取引先を引き寄せてくれます。
次回は見積もり編です。
1984年神奈川県足柄上郡生まれ。
大事なのは売上より利益です。脱・価格競争コンサルタントとして、できるだけ広告費を減らしながら売上を増やせる方法をお伝えしています。