今回は、日本企業の生産性について、マーケティングの観点から考えてみたいと思います。
特に、生産性を上げて利益率を増やしたい経営者の皆さんに役立つ内容です。
日本企業の”謎”を解く
皆さん、こんな疑問を持ったことはありませんか?「なぜうちの会社は、生産性が低いんだろう?」
「もっと効率よく仕事できないかな?」実は、この謎を解く鍵の一つが「マーケティング」にあるんです。
マーケティングって何?
多くの人は、マーケティングを単なる宣伝活動や広告戦略だと考えがちです。でも、本当のマーケティングはもっと広い意味を持っています。簡単に言えば、マーケティングとは:
「お客さんのニーズを理解して、それに合った商品やサービスを効率よく提供すること」つまり、会社全体で取り組む活動なんです。
なぜマーケティングが大切なの?
日本の企業は技術力や品質管理では世界トップクラスです。
でも、労働生産性(働いた時間あたりの成果)は先進国の中でも下位なんです。
この原因の一つが、マーケティングの不足にあります。
例えば:
- お客さんのニーズを正確に把握していない本当のお客さんにリーチできておらず無駄な広告を出している
- 本当のお客さんが誰かわからないため効率的な販売方法を考えてられていない
- 新しい市場を開拓するリサーチ方法がわからない
こういった点が、生産性の低下につながっているんです。
日本と欧米のマーケティングの違い
では、日本と欧米の会社では、マーケティングに対する考え方がどう違うのか、いくつか例を見てみましょう。
- 経営陣の意識
- 日本:マーケティングの必要性を理解していない経営者が多い(営業力を重視)
- 欧米:マーケティングを経営の中心に据えている(販売力を重視)
- 新規事業の進め方
- 日本:商品を作ってから、どう売るか考える
- 欧米:売れる理由を調査してから、商品を作る
- ブランディング
- 日本:ブランディングを飾りのようなものと捉えがち
- 欧米:ブランディングを経営戦略の一部として重視
- 人材育成
- 日本:社内で一から育てようとする
- 欧米:必要な人材は外部から調達する
- 商品開発
- 日本:技術力ありきで商品開発
- 欧米:課題解決のための商品開発
- データ分析
- 日本:データから何か探そうとする
- 欧米:課題を解決するためにデータを使う
どうすれば改善できる?
日本企業も、欧米のアプローチを参考にしながら、自社に合ったマーケティング戦略を立てることができます。
例えば:
- お客さんの声を積極的に集める仕組みを作る
- データを活用して、お客さんの行動を分析する
- 経営者自身がお客さんとコミュニケーションを取る
- 必要に応じて、外部の専門家の力を借りる
まとめ
マーケティングは、単なる宣伝活動ではありません。
会社全体で取り組む、重要な経営戦略なんです。
日本企業も、マーケティングの考え方を取り入れることで、生産性を大きく向上させる可能性があります。
皆さんも、自分の会社や将来の事業のことを考えるとき、「お客さんのニーズは何か?」「どうすれば効率よく提供できるか?」という視点で見てみてください。
それが、マーケティングの第一歩です!
日本の会社は、欧米に比べて生産性が低いと言うデータ
日本の労働生産性の現状
公益財団法人日本生産性本部が発表した「労働生産性の国際比較2023」によると、
- 日本の時間当たり労働生産性は52.3ドル(5,099円)で、OECD加盟38カ国中30位でした。
- 日本の一人当たり労働生産性は85,329ドル(833万円)で、OECD加盟38カ国中31位でした。
これらの数値は、1970年以降で最も低い順位となっています。
欧米との比較
- 主要7カ国(G7)の中で最下位:
日本の労働生産性は、G7諸国の中で最も低い水準にあります。 - 製造業での比較:
2021年の日本の製造業の労働生産性は、米国の約6割(56%)の水準にとどまっています。 - 西欧諸国との差:
日本の労働生産性は、英国やスペインといった西欧諸国と比べても2割近く低い水準にあります。
長期的な傾向
- 低迷の継続:
日本の労働生産性の低さは近年に始まったものではなく、長期的に続いている傾向です。 - 相対的な順位の低下:
2000年には製造業の労働生産性がOECD諸国でトップだった日本ですが、2022年時点では35カ国中18位まで後退しています。
- OECDの統計データベース
- 日本生産性本部の「労働生産性の国際比較」レポート
出典: https://www.jpc-net.jp/research/list/comparison.html
- 日本生産性本部のプレスリリースや報告書
1984年神奈川県足柄上郡生まれ。
大事なのは売上より利益です。脱・価格競争コンサルタントとして、できるだけ広告費を減らしながら売上を増やせる方法をお伝えしています。