直登さん!ウェブサイトの使い勝手って本当に大事なんですか?デザインがかっこよければいいんじゃないですか?
ひなたくん。デザインも大切だけど、使い勝手の悪さは思わぬところで問題を引き起こすんだよ。
えっ?どんな問題があるんですか?
使い勝手の悪いサイトは、無駄な問い合わせを増やしたり、お客さんに勘違いを生じさせたりするんだ。結果的に、サービス提供者側の生産性も下がってしまうんだよ。
へぇ〜。でも、そんなに影響あるんですか?
実際にあった話を聞いてみるかい?僕がレンタルオフィスを借りようとした時の話なんだ。
おお!直登さんもレンタルオフィス借りてるんですか?かっこいい!
(笑)いやいや、そこが重要なんじゃないよ。話を聞いてごらん。いくつかのオフィスを比較して、一つに絞って問い合わせをしたんだ。最終審査まで行ったんだけど…
おお、順調そうですね!
そう思うだろ?でも、最終確認メールで「初期費用がうん万円かかります」って言われたんだ。
えっ?それってサイトに書いてなかったんですか?
そうなんだ。サイトのどこかに書いてあったかもしれないけど、僕は見つけられずに申し込んでしまったんだ。
そういう経験なら僕もあります!
だれもが一度はあるかもしれないね。僕の中では「初期費用が安いこと」も選んだ理由の一つだったから、この時点で計画を見直さないといけなくなってしまったんだよ。
あ〜、それは困りますね…でも、それってサイトの問題なんですか?見落とす側も悪いような。
そうだね。見落としてしまう側も悪いかもしれないね。ただ、多くの人が見落としてしまうなら載せ方にも問題もあると思うよ。
それならそうですね。
サイトのUI(ユーザーインターフェース)って言うんだけど、UIが悪いと、こういった勘違いが起きやすくなる。結果的に、お客さんもサービス提供者も時間を無駄にしてしまうんだ。
なるほど…でも、それって一回きりの問題じゃないんですか?
いや、そうじゃないんだ。こういった悪い印象は長く残るんだよ。
えっ?どういうことですか?
例えば、何年か後にレンタルオフィスを探す時に、この会社は候補にも挙がらないかもしれない。それにこの負の感情を誰かに伝えてしまうかもしれない。その会社のやっているサービス全体が悪い印象になってしまうかもしれない。そこまで影響が及ぶかもしれないんだよ。
えっ?そんなに影響が続くものですか?
うん、実はネガティブな印象は、ポジティブな印象の6倍も拡散しやすいというデータもあるんだ。
6倍!?そんなに!?
そうなんだ。だから「たかがサイト」「たかが使い勝手」と侮ると、気づかないうちに開拓できるお客さんが少なくなってしまう可能性があるんだよ。
うわぁ…怖いですね。じゃあ、どうすればいいんですか?
まずは自社のサイトを客観的に見直してみることだね。競合他社とkる比べて必要な情報が不足がないか、比較してみること。そして、本当のお客さんにモニターとして使ってもらって、情報がきちんと伝わっているか、使いやすいかを確認ことが大切だよ。
うわぁ…そこまでやってなかったです。
それだともしかすると、迷子のお客さんが出たり、申し込み後に急に音信不通になったりするかもしれないね。
心当たりがあります…他社サイトと比較することと、モニターに使ってもらい感想をもらうこと以外には、どんな対策がありますか?
例えば、サイトのゴールが問い合わせを増やすことなら、どこで離脱してしまっているか解析ツールで調べることだよ。あとはヒートマップというツールを入れて、クリックできない箇所がクリックされていないかとか、クリックしてほしい申し込みボタンが全く押されていないか、そういうことをツール使って調べることが基本だよ。
なるほど。それはすぐに導入してみます。あと、今回みたいに最終確認メールの時点で気が付く場合ならどうすればいいんでしょうか?
最終確認のメールを送った時点で2割以上返信がなければ、何かがおかしいと判断して、その前の工程で原因を探った方がいいよ。
原因は前にあるんですね。
そうだね。その問題が起きたところに問題があるわけじゃなくて、問題が起きる前の工程に原因はあるんだ。今回で言うと、そもそもサイトが見にくくて初期費用を見落としてしまったかもしれない。もしくはどこかのページに書いてあったかもしれないけど、導線が悪くて気付く前に申し込みをしてしまったかもしれないね。
なるほど!今回の直登さんのレンタルオフィスの工程ならどこを改善した方がいいと思いますか?
今回の工程は、規約確認ページ→申し込みフォーム入力→審査通過の連絡と最終申し込み確認メールが届く、という流れだったんだけど、規約確認と申し込みフォームの間にもう1つ確認用のページを設けて、最終確認メールの内容を確認用ページで記載しておけば、もっと早い段階で気が付けたんじゃないかな?
なるほど!大事なことは最後ではなくて、もっと手前で確認すると良かったんですね。
そうだね!こういうこともUIだからね。お客様に最高の体験をしてもらうには、サービス提供を開始してからじゃなくて、サイトに訪れた時点始まっていることを意識してね。
その考えは盲点でした!勉強になります!
ディズニーランドを思い出してごらん。入園してからが夢の体験ではなくて、HPでチケットを買うところから夢の体験は始まっているんだよ。
わかりやすい例ですね!他にUIがどれくらい利益に影響するか事例を教えてください。
事例好きだよね。すぐ事例を聞きたがる。
だってわかりやすから、つい聞きたくなります。
しょうがないな…Googleの調査によると、スマホでサイトを見ている人は、ページの読み込みが3秒以上かかると、半分以上(53%)の人がサイトを離れてしまうそうだよ。
うひゃー半分もですか!
他にはある調査会社によると、サイトの使いやすさを重視している会社は、そうでない会社と比べて売上の伸び率が約2倍も高かいというデータもあるよ。
2倍もですか!?これは他人事じゃないですね。
他にはクレジットカード会社の調査によると、使いやすいサイトは、平均して17%売上が高くなるというデータもあるよ。。
これも結構大きいですね!対策必須ですね。
そうでしょ。こういう情報はネットでいくらでも出てくるから自分で調べてみて。
わかりました!
これで分かったと思うけど、WEBサイトはオワコンなんかじゃなくて会社の顔なんだよ。人だって綺麗な人や親切な人には思わず心が動くでしょ!それはサイトを見ている人も同じ。
なるほど!
また、無駄な問い合わせが増えて無駄な仕事を増えると従業員の士気にもかかわるからね。士気が下がると余計に生産性が落ちるよ。そうならないように、サイトから改善していこう。
そういう理由でも生産性に影響があるんですね!
わかったらお客さんに最高の体験を提供できるよう、改善を心がけてね。
はい!さっそく自社のサイトをチェックしてみます!…あれ?うちのサイト、初期費用の記載がない…?
(笑)まあ、気づいたことが大切だ。これからどんどん改善していこう!
1984年神奈川県足柄上郡生まれ。
大事なのは売上より利益です。脱・価格競争コンサルタントとして、できるだけ広告費を減らしながら売上を増やせる方法をお伝えしています。