社員の士気や生産性が低いと感じている経営者へ。
今回は、「社員の士気向上」と生産性がテーマです。
このブログになる内容をしっかりかみ砕いて実践すれば、社員の士気も生産性も利益も爆上がりします。
また、今回の内容を社員さんに伝えていただければ、単なる利益追求ではなく、より大きな目的を持ってプロジェクトに励んでいただけると思います。
みなさん、「士気」「生産性」って言葉、耳にタコができるほど聞いたことあると思います。
うちは士気も生産性も低くないよって思われた経営者の皆さん。
本当にそうでしょうか?
士気と生産性のセルフチェック
士気と生産性が低いかどうかチェックしてみてください。
士気のセルフチェック
- 社員の表情は明るいですか?
- 来客に対して全社員が大きな声であいさつしていますか?
- 自主的に意見を出す社員が増えていますか?
- 社員同士の雑談や笑い声が職場から聞こえてきますか?
- 休憩時間に一人で過ごす社員が多くないですか?
- 社員の遅刻や当日欠勤が増えていませんか?
生産性に関するチェック項目
- 締め切りに余裕を持って仕事が完了していますか?
- 顧客からのクレームが減少傾向にありますか?
- 新しいアイデアや改善提案が定期的に出ていますか?
- 残業時間が適切にコントロールされていますか?
- 部署間の連携がスムーズに行われていますか?
コミュニケーションに関するチェック項目
- 経営者として、社員と定期的に対話の機会を設けていますか?
- なぜ我々がやるのか、目的(パーパス)を社員に共有していますか?
- その目的に社員は共感してくれていますか?
- 社員全員がパーパスを暗記していますか?形だけのパーパスになっていないですか?
- 会社のビジョンや目標を全社員に明確に伝えていますか?
職場環境に関するチェック項目
- 働きやすい職場環境(照明、温度、騒音など)が整っていますか?
- 必要な設備や道具が適切に提供されていますか?
- ワークライフバランスを重視した制度(有給休暇、フレックスタイムなど)がありますか?
- 社員の健康管理に配慮していますか?
- 社員の成長を支援する研修やキャリアパスが用意されていますか?
経営者自身に関するチェック項目
- 経営者自身が率先してブログやSNSで情報発信していますか?
- 経営者として、長期的なビジョンを持って組織を導いていますか?
- 自己研鑽に励み、新しい知識やスキルを積極的に学んでいますか?
- 社員に対しお金や役職以外に尊敬される要素を持っていますか?
もし「いいえ」が多かったのであれな、社員さんはかなり士気が低くなっているはずです。
目的が見出せない仕事ほど士気が下がる
社員の士気って、実は会社の生産性や利益に直結しているんです。
お金は稼げば取り返せるけど、失った時間と士気は取り返せません。
考えてみてください。
無駄な資料作り、不向きな仕事、目的不明の仕事で迷走…こういうのって本当の意味での「非生産的」じゃないですか?
目的は言わなくてもわかるでしょ!とか、目的は売上を作ること!
そういうことは社員の士気にはつながりません。
社員の本音
社員を代弁して言えば、仕事が増えても給料上がらないでしょ?って言うのが社員の本音なんです。
どうせなら楽しく仕事をしたいと社員も思っています。
だけどそれは目的あっての楽しさです。何のために、誰のために我々は働いているのか見えなければ、目指すゴールも見出せませんし、やるべきこともわかりません。
「やってから考えよう」はつらたん
「とりあえずやれ!」「やってみながら考えよう」というのは無茶ぶりで、そういう仕事の振り方をしていると社員は疲弊してしまいます。
戦争で言えば、誰が敵からもわからずに戦争に駆り出され、なんのために命をかけて(自分の時間を削って)戦っているのかわからないからです。
そりゃ士気も上がりませんし、生産性をあげようにも、行動目標もわからないから生産性どころの話ではないですね。
たくさん敵を倒せばいいのか、土地を先に奪取すればいいのか、ゴールがわからないからどう行動していいかもわかりません。
当然、成果にも繋がらないので職務経歴書に書けるキャリアにもなりません。
「僕たちはどうしたらいいんでしょう!」
そんな声が聞こえてきそうです。
こんな状態で働かされている社員は辛いです。
つらたんです。
生産性の本質
生産性って、単に会社の利益を追求することじゃないんです。
本当は、一人ひとりの無駄な時間を減らして、人生をもっと有意義なものにすることなんです。
だって、私たちが働く理由って何でしょう?
そう、幸せになるためですよね。
経営者自身も社員も幸せになるために働ていると思います。
経営者にとっては、利益を上げることがゴールでも社員にとっては士気が上がりません。
売上目標は数字であって、ノルマなのでそれの向かって努力はしますが、心から賛同するものではないからです。
ノルマを達成すれば、そこで終わり。
本当はもっとできるけど、残りは来月にとっておく。そんなことが起ります。
ポテンシャルの1/10も出していない人もいるかもしれませんね。
顧客起点の重要性:データ沼にはまらないで!
コンサルとして現場を見させてもらうと、実際の現場では、「仕事のための仕事」が多すぎるんです。
「とりあえずデータから課題を探そう」とか「もしかしたら使うかもしれないからこのデータも出しておこう」なんて…これじゃあデータ沼にはまっちゃいますよ!
大切なのは、何をやるかではなくて、「何のためにやるのか」目的を達成するために本質的な施策にフォーカスすること。
上流から整える
本質的な施策って、川の上流から整えることなんです。
下流でいくら頑張っても、上流で詰まっていたら水はきれいに流れませんよね。
だからまずは上流を抑えること。
上流とは顧客のことなんです。
なぜなら
顧客に満足してもらうためです。
だから、顧客をよく知ることが上流なんです。
顧客を起点に考えれば、無駄な施策を打つことも少なくなります。
施策を起点に考える罠:お弁当屋さんの例
ちょっとお弁当屋さんを例に考えてみましょう。
お弁当事業を始めるとして、どんなお弁当を作るか作戦会議をしたとしましょう。
営業担当者は売りやすい唐揚げ弁当を作りたい。
料理長は揚げ物は時間がかかるから海苔弁当を売りたい。
広報担当者は斬新な弁当…
みんなの意見がバラバラ。
そんな無意味な会議をやってないでしょうか?
大事なのは、先ほど述べたようにお客さんが誰なのか?ということです。
お客さんが誰かわかっていないに、どんな弁当を作ろうかという議論は順番が違うことは分かると思います。
顧客起点で考えれば、こんな無駄な議論は避けられるんです。
「すべてはお客さんのために」この言葉を心に刻んでもらいたいです。
無駄な広告宣伝費、意味のないデータ分析…
こういうのって本当にもったいないですからね。
士気は経営者の見えないところで下がっていく
お金は稼げば取り返せるけど、無駄な仕事をさせられた人の士気は、水面下でどんどん下がっていくんです。
「またか…」「朝と言っていることが違う」「絶対失敗するって…」そんな社員の声は経営者の耳には入りません。
見えないところで、士気が下がると、会社への忠誠心や貢献したい気持ちもなくなっちゃうんです。
これって、静かに進行する会社のガンなんですよ。
歴史に学ぶ士気の力:戦国時代の教訓
戦国時代の戦いを見てみると、士気の力がよくわかります。
戦争の勝利の要因は、
戦略、資金、兵の数、兵の士気、武器の質、武器の数、地形などが影響しますが、
戦国時代には、兵力差が10倍以上あっても勝利した例がありましたね。
桶狭間の戦い 2,000 vs 20,000
河越城の戦い 8,000 vs 80,000
厳島の戦い 3,500 vs 20,000
なぜ勝てたのか?
それは、リーダーが「何のために戦うのか」を意味付けをして、兵を鼓舞したからなんです。
(©原 泰久/集英社)
何のために戦うのか?何のためにこのプロジェクトをやるのか?その先に何が待っているのか?どんな社会を実現するのか?なぜ我々がこのプロジェクトをやらなければならないのか?
どんな言葉で社員を鼓舞するのか、経営者の力量が問われますね。
パーパスが浸透している会社の士気は高い
現代で言えば、これが「パーパス」ってやつです。
私たちは何のために、誰のために働くのか。
単に給料をもらうためだけなら、その辺の農民にお金を払ってかき集めた兵隊と変わらないですよね。
でも、本当のパーパスがあれば、社員の士気は上がり、会社の収益性も上がるんです。
パーパスとミッションの違い
パーパスと近い言葉で、ミッションがあります。
ミッションは、What→到達点に向かって実現すべき使命
パーパスは、why→なぜ自分たちがやるのか?企業経営の根幹となる意義や目的を問う
なぜそのミッションを掲げたのかは、なぜ?(why)から由来します。
ミッションはパーパスの上位概念であり、そもそもなんでそのミッションを自分たちが掲げるの?という問いです。
他の会社ではなくてなんで自分たちの会社なの?
それは自分たちが長年研鑽してきて「一日の長があるから」ということも含めても良いでしょう。
パーパスは、自分たちなりに納得感を持てる言葉を用意することで、心が動くわけです。
個人のパーパスも大切
たとえプロジェクトが失敗したとしても、社員自身に目的があれば、成長実感につながります。
僕もサラリーマン時代に、成果が出せずに苦しんだ時期がありました。
そんなときに数値目標だけしかないと辛いものがあります。
努力はしても成果につながらないときは、自分自身に目的を作っておくことが大切です。
例えば、失敗するとしても失敗を分析して社内に共有して同じ失敗を避けよう、とかそんな個人的な目的でもいいのです。
そうすれば、成功しないときに自分を責めることもないですし、キャリアにもつながります。
ぜひ経営者は、こういった個人パーパスも社員に教えてあげてもらいたいです。
最後に:限界を決めるな、可能性を信じよう
さあ、ここまで読んでくれた皆さん。
大げさではなく、パーパスはマストです。
パーパスなんて…飾りでしょ言ってしまったら、そこで試合終了です。
言葉一つで会社は変わります。
というよりも、会社を変えるなら言葉以外にありません。
言葉で社員の心を動かし、顧客の心を動かし、それが100人、1000人、10000人と波及していくと社会現象にまで発展します。
そうやって新しい価値観を作り、文化を作り、市場を作って、結果的に利益が入ってくる。それが事業の醍醐味だと思います。
顧客のため、社員のため、そして自分自身のために、今日からできることを始めてみませんか?
すべては「なぜやるのか?」
- 「何をやろうか」「どうやるか」の前に「なぜやるのか?」「誰のためにやるのか」「何を目的にするのか?」パーパスを経営者と社員で考えよう。
- パーパスは、自分たちの今までやってきたこと踏まえてを考えてみよう。
- 「仕事だからやる」ではダメです。
- 直接お客さんと話す機会を作ってみましょう。
- ネットで意見を集めるのはダメです。
- お客さんと直接会わないと本音を拾いましょう。
- 本当のお客さんが見えれば、無駄な作業がなにかわかります。
- お客さんが見えない段階で「とりあえずやろう」は迷走して疲弊します。
- 社員自身のパーパスも考える気付きを与えてあげてください。
みなさん、明日からの仕事が少しでも楽しくなりますように。
そして、自分の仕事が誰かの幸せにつながっていることを実感できますように。
一緒に、より良い職場、より良い社会を作っていきましょう!
1984年神奈川県足柄上郡生まれ。
大事なのは売上より利益です。脱・価格競争コンサルタントとして、できるだけ広告費を減らしながら売上を増やせる方法をお伝えしています。