今回はブランディングと価格設定の話です。
単価を上げることが課題の経営者さん向けのお話です。
誰から買うかが重要
例えば、あなたのスマホが壊れたので買い替えるとします。
さて、あなたならどんな基準で選びますか?
いくら安くてスペックが良くても、多くの人は海外製の無名メーカーのスマホは選ばないと思います。
きっとあなたは、どのメーカー製なのかを一番に気にすると思います。
そう、高単価でも売れる理由は誰が売っているかが重要なんです。
この場合だと、どのメーカーが売っているのか?どのキャリアが売っているのかが重要ですね。
メーカーが無名でも、ドコモなどのキャリアが販売していれば安心感はあると思います。
メーカーが無名でドコモなどのキャリアが販売していなくても、有名人がテレビで使っていることが分かったらまだ安心感はあると思います。
有名人のブランディングによる安心感ですね。
いくら値段が安くても、値段の安さだけでは選ばないですよね。
実はお客さんが本当に求めているのは「トータルのコスパ(コストパフォーマンス)」ではないでしょうか?
しかし、このコスパは単純に「値段の安さ」ではなく、いろいろな意味が含まれているんです。
真のコスパとは何か
真のコスパとは、Apple製品のように高くても品質が高く、安心感があり、所有欲を満たしてくれるものです。
例えば、20万円のiPhoneと、iPhoneの2倍の性能で1/2の価格のスマホがあっても、多くの人はiPhoneを選びます。
たとえ、20万円が「高いな」と感じても、また2年後の買い替えのタイミングでiphoneを選ぶ人が多いのではないでしょうか?
トータルではコスパの良さを感じているはずです。
これはAppleが長年かけて築いてきたブランディングによるブランド価値です。
人それぞれ感じる価値は違いますが、例えば
- みんなが使っている安心感
- 常に安定した動作による安心感
- 長年のアップデートやカスタマーサポートによる安心感
- appストアのアプリの品質や使い勝手
- 数々の先進的な機能を提供してきたカッコよさ
など、表面的な薄っぺらいブランディングではなく、長年の信頼がAppleが選ばれ続ける理由だと思います。
「Apple製品は裏切らない」
そんなイメージがあって、ずっとiphoneを選ぶ人も多いんじゃないでしょうか。
価値で選ばれることの重要性
Apple製品のように長年に渡って選ばれ続けるには、値段で選ばれてはいけません。
安いからという理由で選ばれたら、それは負けなのです。
なぜなら、値段で選ばれたときには、もっと安い値段のところが見つかったら乗り換えられてしまうからです。
それに、値段の安さで勝負すると、それこそ価格競争になって疲弊してしまうでしょう。
だからこそ、どんな会社でもどんな事業でもどんな商品でも「価値」で選ばれることが重要です。
さて、あなたの商品の付加価値は何でしょうか?
すぐに答えがでなくても大丈夫。ずっと追及し続けることが大切です。
価値はお客さんによっても違いますし、時間によって求められる価値は変わるものです。
価値とは何か?を追及し続けるすることが差別化であり、選ばれ続ける理由につながります。
価値を高める具体例:100円のコーラを1000円で売る方法
スーパーで100円のコーラが1000円で売れる理由を考えてみましょう。
例えば:
- 銀座のおしゃれなお店で
- おしゃれなグラスに
- おしゃれな氷を入れて
- キンキンに冷えたコーラを
- バーテンダーが丁寧な手さばきで注いでくれる
- 好きな人とのデートで乾杯する
このような状況であれば、100円のコーラが1000円でも納得感があるでしょう。
それどころか、デートというシチュエーションだけに、値段がいくらでも関係なくなるかもしれません。
コーラを頼んだお客さんにとっての最高のゴールは、デートを成功させることであって、デートが成功させすれば、コーラがいくらであろうと気にならないと思います。
これがデートではなく接待だったとしても同じです。
シチュエーションによって変わる価値
同じコーラでも、どういうシチュエーションで使うかによってお客さんが感じる価値が違ってきます。
- 家で一人で飲むコーラ:コスパを気にする
- 接待で出すコーラ:コスパよりも接待の成功が重要
このように、同じ人でも使用シーンによって価値の感じ方は大きく変わります。
僕は家でも100円のコーラを飲みますし、外でちょっといいお店でも800円のコーラを頼みますが、800円なんて暴利でしょ!と怒ったりはしないです。
適切な場所で適切な用途であれば800円でも妥当だと思います。
価格を上げるための戦略
もしあなたの商品の単価を10倍に上げたいなら、使う用途やシチュエーションを変えてみるのも一つの方法です。
例えば:
- 用途を変える(自分用→贈答用、記念日用など)
- 最終消費者を変える(自分用→自分の大切な人用)
- 商品に付加価値をつける(知名度、デザイン、機能、ストーリー、著名人のお墨付き、〇〇奉納品など)
- パッケージにする(あれもこれもついてコミコミ〇〇円)
- 言い方の順番を変える(◆◆と●●がセットで1万円→◆◆セットで1万円がさらに今なら●●もついてお値段据え置き1万円)
- ターゲット顧客を変える(緊急度が低い人→緊急度が高い人用)
まとめ
Apple製品のように選ばれ続けるには「誰が売るか」が重要で、その人や会社のブランド力が重視されます。
ブランディングは時間もお金もかかります。
しかし、きっとあなた自身に大きなビジョンがあれば、達成できるはずです。
それを応援してくれる人も集まるでしょう。
僕も自分で掲げた理念とビジョンに向かって頑張っています。
一緒にいい商品を世の中に広めていきましょう。
1984年神奈川県足柄上郡生まれ。
大事なのは売上より利益です。脱・価格競争コンサルタントとして、できるだけ広告費を減らしながら売上を増やせる方法をお伝えしています。